皆さんこんにちは!しのやブログのお時間です。今回担当させて頂くのは、しのや桑野店の高橋祐貴です。先日ブログでスタッフ紹介記事で紹介されたばかりにも関わらずこのタイミングでの登場はなんだか恥ずかしいですね、、、。
5月16日(木)古殿町にある「豊國酒造」さんへ訪問してきました。
豊國酒造さんと言えば、今や超人気銘柄【一歩己】を醸している酒蔵さんとして有名です。今回は豊國酒造さんの9代目杜氏「矢内賢征」さんにご案内していただいた蔵見学の内容をお伝えしていきます。
約束の時間に蔵に到着!
『蔵見学楽しみだな~』なんて思っていたら、矢内さんの挨拶もそこそこに、
矢内さん『車に乗って移動します』
一同『ん???????』
着いた先は丘の中腹にある古殿町内を一望できる公園。
矢内さん『まずは古殿町を知ってください』
そもそも皆さんは古殿町を訪れたことはありますか?恥ずかしながら、私は今回初めて古殿町に足を踏み入れました。
阿武隈山系の山々に囲まれた自然豊かな環境に、鮫川が流れ、国道349号に沿って街並みが広がっています。丘から町を見渡し、思わず綺麗な景色だなーと声が出てしまうくらいの絶景でした。
次に車が向かった先は鎌倉岳の麓へ。「豊國酒造」さんで使用されているお水はこの鎌倉岳の麓で井戸を掘り採水した水を地下にパイプを通して蔵まで繋げ使用されているそうです。
通称仕込み水と呼ばれるお酒造りの際に使用されているお水ですが、ミネラルを含んだ硬めの水を使用しています。
※余談ですが、お水が硬いと辛口のお酒、お水が柔らかいと甘いお酒になりやすいと言われているそうです。
続いて向かった先は古殿小学校・・・の隣にある田んぼ。
古殿町で一番良い立地にある田んぼです。おざわふぁーむの小沢さんが管理しています。こちらで一歩己の酒米「美山錦」や「夢の香」を作っています。
なぜここの田んぼが良いのか。土地柄の良さは勿論、環境が良いから品質の良いお米が出来上がるそうです。そして何より大切なのが、小学校の隣だという所。
古殿には現在小学校は1つのみ。古殿町に住む小学生が皆この田んぼを目にします。当たり前に見ていた景色・風景の一部ですが、その田んぼが将来大人になった際に、このお酒はあの田んぼのお米から作られたものなんだと知るストーリーを矢内さんは思い描いています。
将来的に田んぼの脇や道路の脇などに看板を立て「一歩己の田んぼ」のアピールも行いたいそうです。おざわふぁーむさんの主導のもと、小学校との連携事業により田植え・稲刈り体験など、あらゆる魅力を子供たちに伝えることで、明るい古殿町の未来をつくっています。
そして続いておざわふぁーむさんへ。
ついてびっくり。ニワトリが放し飼いにされていたり、クジャクがいたり・・・羊もいました!!笑
もともと牛舎だったという畜舎を改装し古民家を、民泊や体験宿泊施設として利用できるようにしてあります。農業でお米作りのみならず、地域おこしのイベントをおこなったり、古くから伝わる郷土食を次世代に繋げる取り組みをしたりと多種多様な方面でご活躍なさっています。仕事が落ち着く冬場の時期は「豊國酒造」さんにて蔵人として働かれているそうで、古殿町を全力で盛り上げていこうとする姿勢が垣間見えました。
しどけと呼ばれる山菜や凍み餅、桜の花びらを塩漬けにした寒天でおもてなししていただき、ほっこりする一幕でした。
山の裏に上り、先程とは反対側から古殿町を一望。
大自然から感じられる、言葉で言い表す事の出来ない絶景。まるで心が浄化されたかのように、澄んだ気持ちにさせられました。
続いては古殿八幡神社へ。古殿町といえば、流鏑馬(やぶさめ)。馬にのり馬を駆けさせながら3つの的を矢で射る伝統の神事。映像でしか見た事がないですが、やはり目の前で行われる迫力は全く違うそうです。ぜひ一度は見てみたいものです。
町の地域の持ち回りで担当されるそうで、近い将来矢内さんが馬に乗ることもあるかもしれないですね!(今はまだ怪我したリスクで酒造りに支障を来してしまう為やらないそうです)
古殿八幡神社は、古殿町の人たちからするとお正月の初詣は勿論、産まれた時からお宮参りや七五三など、さまざまな成長を見守ってもらっている大切な場所だそうです。
そしていよいよ「豊國酒造」の蔵見学。
創業約180年、現在の蔵元杜氏・矢内賢征さんで9代目。
蔵のすぐ脇に流れる鮫川には桜並木が広がり、桜の季節はまた違った美しさが見られるそうです。
もう蔵の中は酒造りのシーズンを終えた後でしたので、実際に酒造りの様子をみることは出来ませんでしたが、道具・床とても綺麗に整理整頓され清潔感のある蔵の中でした。
これは本当に個人的な感想ですが、昔からの酒蔵さんであればあるほどもっと汚いイメージを勝手に想像してしまいがちですが、どこを見てもとても綺麗にされていました。
機械だけに頼らず、一歩己に使用する酒米は全て手洗い。
古殿町の地域的に空気が乾燥していることから、蒸米も柔らかく蒸かす。
サーマルタンクと呼ばれる、温度管理が可能な仕込みタンクで-5℃の徹底した温度管理。
細かい所すべて一歩己が美味しくなる為に矢内さんが意識されている事なんだと伝わってきました。
本来酒蔵さんといえば、お米が美味しい所、お水が美味しい所、城下町ということが酒蔵がある条件だそうです。会津に酒蔵さんが多いのが納得ですね。その条件から行くと本来古殿町は酒造りに適さない土地だそうで。
しかし古殿町にある酒蔵として、地元の農家さんが育ててくれたお米を原料に、地元から湧き出る阿武隈山系のお水でお酒を仕込む。
全国各地を見渡せば、もっと適した原料がある中で、矢内さんの中で地の米・水が最高の地酒造りに欠かせないピースなんだそうです。この地でしか醸し出せない『地酒の味』を追い求めています。
『自然の恩恵を活かす』
『人の手で醸す』
『暮らしに寄り添う』
この3つがHPに記してあった矢内さんのこだわりだそうです。
今回の蔵見学の内容はまさにその通りの内容でした。
古殿という町を知り、水を知り、お米を知り、農家を知り、風土を知り、文化を知る。
そして酒を知る。
それら全てが一歩己という1本に込められています。
知ることにより、より一層「一歩己」の美味しさが際立つことでしょう。
しのやで『一歩己』を飲む方全てにその古殿町の情景・ストーリーの部分まで伝えられるようにしていきます。
しのやでは1年中いつでも「一歩己」を飲むことが出来ます!
季節によって感じられる変化を味わいつつ、古殿町を共に感じませんか?
では!私は店舗で皆さんに会えるのを楽しみにしてますね~♪